BR66 小野美由紀さんの新刊、『メゾン刻の湯』が面白かったです。
こんにちは。女性の在りたい姿を応援する、エバーガールの有紀子です。
先日お休みの日に、楽しみにしていた小野美由紀さんの新刊を読みました。美由紀さんの本は、自伝のようなこちらの次で2冊目です。
美由紀さんにお会いして、この本を読んで「私もこんな風にのびやかに思ったことを書きたい」と自分自身がkindle出版をするきっかけとなった本だともいえます。
こちらの本は、一見美しくて才女の著者の病んでいる部分、トラウマなどがのびやかに素直に記されていて、こんな表現の仕方があるんだ、と釘付けになったのです。自分の本を書くことに対するブロックを外してもらい、感謝しています。
(そういう意味で刺激的なので、『傷口から人生』はお勧めです!)
そして、その美由紀さんの初小説というのがこちらです。
下町の銭湯をシェアハウスにして。
現代的な感性の持ち主の美由紀さんが描く人物は瑞々しく、面白いに違いないと。
以下がAmazonの商品説明文です。
内容紹介
”正しく”なくても
”ふつう”じゃなくても
懸命に僕らは生きていく。
銭湯×シェアハウスを舞台に描く、希望の青春群像劇!どうしても就職活動をする気になれず、内定のないまま卒業式を迎えたマヒコ。
住むところも危うくなりかけたところを、東京の下町にある築100年の銭湯「刻(とき)の湯」に住もうと幼馴染の蝶子に誘われる。
そこにはマヒコに負けず劣らず”正しい社会”からはみ出した、くせものばかりがいて――。人気企業の内定を蹴り、気ままな愛人生活を送るマレーシアと日本のハーフ・蝶子
奇抜なファッションに身を包み、誰にも言えない秘密を持つプログラマのゴスピ
事故で片足を失ったハンサムでいつも明るい美容師の龍くん
ネットベンチャーに務める、SNSが大好きなガツガツ上昇志向のまっつん
刻の湯の持ち主である老人・戸塚さんと、両親と離れて暮らすことになった小学生の孫・リョータ
そして刻の湯を実質経営し、いつも中心にいながらも全てが謎に包まれた青年アキラさん「生きていてもいいのだろうか」
「この社会に自分の居場所があるのか」
そんな寄る辺なさを抱きながらも、真摯に生きる人々を描く
確かな希望に満ちた傑作青春小説!
実際に読んでみると、某宗教団体(=村上春樹氏)をほうふつとさせる世界観と葛飾区が舞台ということでどこか寅さん的な下町感もあり、著者の出た慶応大学の学生風な人物や、オタクインスタグラマーなどもいて、とっても面白かったです。
居心地の良い居場所っていうのは、自然とあるわけではありません。
銭湯の危機に際し、なんとメンバーはクラウドファインディングで基金も募ります。
その拡散の仕方、成功したか否かなども思わず息を飲む展開に。
楽しくて、お勧めです。
こちらは読んでいた時期に近所に咲いていた桜です。
桜と春休みを楽しんでいる間にあっという間に入学式を迎えてしまいました。
思っていること、やっていることをまたどんどんブログに書いていきますね。
美由紀さんは、昨年の夏、海でご一緒しました。