BR6 サヨナライツカ
こんばんは。女性の在りたい姿を支援する、エバーガールの有紀子です。
今日はブックレビューです。
今週末、大きめなイベント開催の準備をしています。そのプレッシャーから、思わず息抜きの読書をしてしまい、一気に読んで、思った以上に心を揺さぶられました。面白かったです。
辻仁成 「サヨナライツカ」
(恋愛小説や、浮気などが好きじゃない方はスルーしてくださいね。)
美しい女性、富がある女性でも、手に入らないものがある。そんな切ないラブストーリーでした。
ストーリー
(ネタバレ注意)
時は1975年。主人公は「好青年」と呼ばれる航空会社勤務の青年。出世街道に相応しい、選りすぐりの婚約者がいた。
ところが、クリスマスに赴任先のタイで結婚式を挙げる予定にしていながら、4ヵ月前にとあるパーティで出会った女性にふと心を乱される。
そこから、富があり、美しい年上の女性に心奪われ、結婚式の直前まで2人で濃厚に時を過ごす。
時には人目もはばからず、タイの日本人会の目にも触れ、仕事にも支障が出て、忠告を受けるほどに。
・フィアンセとの平凡・順当な人生を選ぶのか
・愛に溺れるのか
4ヵ月の間、迷い続けた主人公はどちらにも「愛している」と言えなかった。
「好青年」は最終的に順当な道を選び、女性は身を引き、フィアンセがタイに来る日に日本に帰る。
それからは一切連絡を取らない日々。しかし2人はお互いが愛し合った時間を忘れることはなかった。
「サヨナライツカ」
25年経ち、選んだ配偶者に予想通りサポートしてもらった主人公は、仕事にまい進し、出世する。
その出張先、タイで偶然にも2人は再会する。そこで女性が富を失い、他に「好青年」以上に愛する人を見つけられなかったことを告白される。30年後。病床の女性からの便りが届く。最後にこの小説の共通テーマである、「人は死ぬとき、愛されたことを思い出すのか、それとも愛したことを思い出すのか。」の答えが出る。
恵まれた富や美しさや名誉があっても、4ヶ月の「本気で愛におぼれた」想い出を一番大切に拠り所にして生き、死んでいくこと。
そんな切ない人生もあるのだな、と涙が溢れました。
映画や本をご覧になった方、いらっしゃいますか?今観るとまた違うかもしれません。男性にもおすすめです。
気づき
「自分は人生において、何を優先するのか」
「どういう風に年を取りたいのか」
「どういう気持ちで死んでいきたいのか」
「どういう風に年を取りたいのか」
「どういう気持ちで死んでいきたいのか」
を、改めて考えさせられました。
ご参考になれば幸いです。
映画版はよりリアルに、中山美穂の美しさ、西島秀俊の迷う「好青年っぷり」、タイの情景、石田ゆり子の決意のある良妻ぶりが観られるようです。
心揺さぶられすぎそうで、連休などに時間を取って浸りながら観てみたいと思います。
心揺さぶられすぎそうで、連休などに時間を取って浸りながら観てみたいと思います。