小学校のPTA~広報部長をやり終えて③~2年間の活動ののち、次年度の、将来のお母さんたち、自分、次世代の娘のための行動~

こんにちは、女性の在りたい姿を応援するエバーガールの有紀子です。

今年も小学校のPTAの広報部長をやりました。2年連続、かなり珍しいです。
引継ぎが大変だったのと、まだまだ改善したいのと、下の子の分もPTAの役員をやらなければならなかったので。
そして1年が無事に終わりました。PTAの広報部長は、6年間の学校生活、数千人のお母さんの中でも数人しか経験しないもの。このブログに多くの検索があるように、誰もが迷い、不安で、もっとどうにかできないかと考えているところだと思います。

私は2年目だったので、昨年度よりも、広報誌発行に関する要領ははつかんでいたため、分からなくてつらい、ということはかなりなくなりましたが、その分「もっとこうしたほうがいい」「もっと時代に即したほうがいい」と考えることができました。特にやったほうがいいことはわかっていても、人材不足には悩みました。働くママさんやITに弱い方が多くて振るにも振り切れない仕事も多いのです。
最後年明けからの紙面案のねん出や、業者さんとのやり取り、50本ほどにわたる校正のメールの行き来などは、たった4面とはいえ仕事のよう。

もろもろで、1年間で費やした時間は30~50時間でした。

これをボランティア・有志の会というにはもはや厳しいと思い。

最後の合同反省会&振り返りにて、この2年間で感じたことを全て正直にお話しし、今後のPTAに関することを考え直してもらう機会にしようと決意しました。

(ご参考)これまでの経緯はこちら

小学校のPTA~広報部長をやり終えて②~1年間で改善したこと、下の子の時に考えたこと~

(kindle本にもしています)

Kindle出版 ~初めてPTA役員に。そして広報部長に。~ どうぞお読みください。

今年は、最後が、校正・発行・折作業・振り返りの部会・棚入れ・保護者会(低学年)・保護者会(中学年)・運営委員会と約一週間の間に学校にかなりパワーを使いました。
(思わず間の保護者会を忘れてしまうほどでした)

なので、委員会のある朝は、江東区の教育委員会にもちょっと相談したり、校長先生、副校長先生、会長、副会長さんにも事前に現状の大変さと今後変えられる可能性などについても3,500字の文書でまとめて、送らせていただいてから、言いたいことがあるということにご理解いただき、当日、運営委員会でその内容をもとに発表、お話させていただきました。

今回書いて、運営委員会で発表した文章の一部

(ほぼ全部)

2年間、広報部長を務めました。貴重な経験をありがとうございました。
そのうえで、いくつか違和感を持ちながらやったことに関して2年目ということ会長、本部役員さん、先生方もとても聞いてくださる空気を作ってくださっているのでこの場をお借りして、ご提案、議題提議をしたいと思います。
(こちらに関しては議事録に記載するときにはかなり内容を割愛させてください)

まず背景からですが、私は幼稚園の子どもが年長と年少の時にやむを得ない事情で別居、上の子が小学校に入る時に離婚しました。思わぬ背景から離婚したため、当然先行きも心細く、せめて学校が近ければ親子ともに安心できるのではと、小学校に隣接するマンションに住むことにしました。引っ越して学校は近く、放課後も区が主催している預かり保育もあり、安心だーと思ったのですが、心配だったのは、噂によるとこの小学校は6年間の間にPTA役員を一度はやらなくてはいけないということでした。まずここで、強制なの!?、と違和感を覚えました。

小学校に子供が入ったら、シングルマザーとして本腰を入れて働いていていきたい。そう思っていたし、地縁も人のつながりもほぼなかったので一年目は役員を見送りました。
昨年、上の子が2年生の時に広報をやることにしましたが、部長の立候補者がおらず、本来ならば楽な役割か得意なPC業務をしたいと思いましたが、できそうな方がいらっしゃらなかったので、自ら部長をやることにしました。
引き受けてみてわかったのですが、部長は音頭をとる必要もあり、書初め会や夏祭りなどは過負荷に感じ心理的に負担でした。

2年目。引継ぎをするのも大変なのと、下の子でも一度はやらなくてはいけないため、2年連続で広報部に立候補、部長も務めました。幸い2巡目や下のお子さんなどで歴任する方や協力的な方の支えで無事に年二回の広報誌を発行することができました。負担であった書初め会もなくなりました。
2年間でかかった工数はそれぞれ30~50時間くらいです。

この経験を経て現場からの意見を申し上げます。

私は思いもよらず母子手当を受け、生活再建を求められる社会的弱者という立場になりましたが、他にもシングルマザー・ファーザー・共働き・介護・生活保護受給世帯などの各者の事情はあると思います。

今年の広報部は、日本語が不得意な外国人のお母さん2名、幼子を連れた方、シフト制で勤務時間が分からない、パソコンが使えない、などの方がいらっしゃいました。12名いましたが、記事を書いて写真を撮って送付できる方が8名くらいのイメージです。正直最初の部会で、がびーん、でした(苦笑)
たとえば、前期の広報誌には教職員紹介がありましたが、日中時間を合わせて学校に写真を撮りに来ることができる人は自営業の私一人でした。部長の負担が減るなら、と部長を受けましたが、実際には皆さんそれぞれの事情があり、それを調整してもらってまでどうにかするよりも自らが動くことを選びました。後期は行事が減ったのもありますし本部の方や先生方皆さんのお力を借りてだいぶ楽ではありましたが、最終的に業者さんとの構成のやり取りのメールは50通ほどが行き来しました。やはりある程度のパワーを割いて発行しています。部長ということで最終的な責任感がつき動きます。

本部の方はもっと大変だから・・・
と本部の方はおっしゃるかもしれません、それで涙したこともありました!が、

強制でやる場合、

・学校・子育てに不慣れな低学年のお母さん
・主体性が低め、あるいはPCが不得手、などのコンプレックスがあって、高学年になって、しょうがなく役員をやるお母さん
・二巡目のお母さん
・受験生の親を抱えた方

などなどの事情のある方が広報部にはいらっしゃいました。
そのようなメンバーでなんとかやるとなると、できるメンバーの負荷が増えがちです。

任期の2年が終わってのど元過ぎれば、と思っていましたが、
今現在1年生の学年の人数は47人しかいません。
2巡目が回ってくることはほぼ確実です。

仕事もして、育児もして、家事もして、このような負荷がまたかかると思うと心理的に負担ですし、何より将来的に娘が就職した後も同じように日中に学校に来ないとできない仕事が多いPTAを“しなきゃいけない”という時代が続くことを危惧しています。

先日の学校のアンケートでも副校長先生からもあったように、学校主体の行事に対して、ボランティアでお母さんの手伝いを募集するという形式がPTAにも採用されたら良いのではないかと思います。

それから、原資となるPTA会費のお金のことですが、こちらも裏を取って区のほうに聞いてみました。

現在この小学校では全員加入が前提で予算を組まれていたと思いますが、教育委員会のほうでもリーフレットなどで任意加入の旨を通知することを促進する方向だそうです。会長もそのように考えていらっしゃると思います。

ちょっと話題はPTAからそれるのですが、年初に、就学援助の紙が通知されますよね。あちら、私は二年援助を受けなかったのですが、今年は援助を受けました。
理由としては、その紙に“およそ2割の方が受けている制度なので安心して受給してください”というような内容があったからです。

実際、受けてみることで負担は軽減しましたが、
心理的には、“就学援助を受けていて、申し訳なく感じ、もっと働きたいのに、PTAのために時間を空けないと、PTAがあるから思うように思いきり働くことができない”という気持ちが残った一年でした。親も頼れず、小さい子どもを家に置いてきて、宿題もろくに見れていない、自分たちでご飯を食べさせ、風呂に入り、寝てもらわなきゃいけない、ごめん、今はPTAをしているから話を聞けないの。というのも違和感がありました。

こういう話は、4月の保護者会ではしたくないものです。なぜならシングルマザーとその子への偏見が怖いからです。
結局2年間、今日まで言えませんでした。

見えない中でもえ共働きや援助を受けるような世帯、あるいは生活保護を受けている世帯、それぞれ事情があります。
幸い私は再婚し、そのような状態からは脱しましたが、自分がそういう立場になったからこそ言えることがあると思って、今、お話をしています。

区の担当部署に聞くと、

現在、
小学校 直近1月初めの記録で、
児童生徒数 分母 24,309人として、
1月7日現在
要保護(生活保護) と、
準要保護を合わせた就学援助の対象が、
4,146人
これは割合としては17.1%。
決して低くない数字で、約5人に一人が援助を受けている状態です。

江東区就学援助
https://www.city.koto.lg.jp/581101/kodomo/gakko/enjo/shugaku/6154.html

考え方としては、援助はセーフティネットで基本的人権の尊重の補助制度、
PTA会費は任意であるが払ったほうがいいもの、たとえて言うなら自治会費、町内会費のようなもの、という位置づけだそうで、そこはクリアにはなりました。

ですが、給食費を援助してもらって、PTA会費を払うのはどうなのかな、って思っていました。

このように、今の学校の保護者には多様な事情があり、
今こちらにいらっしゃる先生方、本部の皆さんからは思いもよらないような状況があり、
そのような状態なのに全員加入で、1回は必須で、2巡目もくじ引き、という状況はおかしいと思うのです。

もし自分が子どもが3人いてシングルマザーだったり傷病により生活保護を受けていたら??
言えるだろうか。安心できるだろうか。
と思います。

このことを以前他県の副校長先生に相談したら、そちらでは、PTA活動免除理由報告書のようなものがあり事前に事情がある方は伝えることができるというものでした。そのようなものの採用も検討していただけたらよいのかと思います。今後も各種家庭の状況は多様化していきます。

ですが自分が思いもかけずその立場になり、とても不安で、シングルマザーつながりの輪というグループを約30名ほどで作って情報交換をしてみると、誰もがどうしようもない事情を抱えている人ばかりでした。
落ち度がなくてもまるで事故のように、誰がそのような立場になってもおかしくないとわかったのです。

ですからPTAに関しても、できる人がいる前提で仕組みを作るのではなく、もっとゆるく、あたたかくPTAが存在したら、親にも子にも優しいと思いますし、お父さん方の参加率も上がるのではないかと思います。シングルマザーは現在108万人、割合は、50人に1人ほどです。就労可能時間が低いこと、養育費の未払い率が8割ほどという点からの貧困率も問題になっていますし、カミングアウトすることによる偏見、いじめ、自己肯定感の低下を助長するなどの問題もあります。

私には娘がいますが、娘が男女平等の教育を受け育ったあとの将来にも、このような不平等があり葛藤を持つことを心配しています。

そういう将来を思い描き、言いにくいこともこの場をお借りして意見させていただきます。

教育委員会の方からは、せっかく今晩そのような意見を交わす機会があるならばぜひ皆さんで話し合っていただいてよりよいPTAを作っていただけたら、と言っていただきました。
小学校は好きなのですが、義務、抽選でPTAの二巡目が来るという恐怖!?があると、親子ともに安心して通えないという気持ちにすらなっています。

この話が何か今後の〇〇小PTAの方向性に一石を投じることになれば幸いです。

この文章をもとに当日各種発表が終わった後の「その他」のタイミングで発表しました。

その結果

その後活発な議論となり、会長、メンバー、学校側総意で、
⭐️任意加入告知推進
⭐️本部スリム化、挙手制
⭐️実行部スリム化、業務削減、挙手制
⭐️全員制なし、自発的のみ
⭐️家庭の事情を考慮する
⭐️子どものためにならない慣習はやめる
⭐️本末転倒な過負荷はやめる
⭐️二巡目やめる
⭐️くじ引きやめる
⭐️広報は本部に吸収、数名で簡素化
⭐️webベルマークのみ
⭐️区が主催する研修会も参考程度にし、独自組織として取り入れるかどうかを判断する
⭐️人気ないスポーツ大会見直す
つまり本来の
自発的、任意な Parent Teacher Association
に戻していくという方向になりました。

これができれば、ほんと楽しく思わず手伝いたいPTAになりそうです。
そんな予兆があるからか来年の役員は初めて立候補で満員だということで、全員無理やり動員にはならなそうです。

この意見をもとに本音で話し合い、改善について考えられている今年の会長や時代の流れ、メンバーの皆さんに感謝です。

この2年間の気づき

・PTAはやっぱり大変!
・PTAは違和感を感じてもまずはやってみないといけないと思う。そしてできる範囲で変えていく。
・やってみたうえで、本質的なことに関しては意見を言っていいと思う。
・言う相手も仲間。お客様や外野気分で意見をするのではなく、本気で考えて、動いてみてから意見を言ってみると通りやすいし良い案が出やすい
・このタイミングならできる!と主体的に手を挙げた(低中学年の)メンバーがやるべきで、余裕がない人はできる範囲でお手伝いできる仕組みにしたほうがいい
(結局連絡を回したり公平性を思いはばかったりやり方をシェアするのが負担なので)
・子供も動ける親も人数が減っている今、内容を削減して、量より活動の質にシフトしたほうが良い
・先生方も名目だけではなくもっと協力してもらえないか再検討したい

PTAは大変です。やらなければ、というプレッシャーもあるでしょう。
でも、私が初めてPTAをやったときにPTA経験者の方々から聞いたように、「やってみたからこそ、改革できたよ」ということがあるのも事実です。
PTA活動にももちろん、メリットがあります。
・学年を超えた(基本超えた人とだけ)つながりができる
・子どもたちに貢献できる
・普段やらないお仕事などに携わることができる
などです。ですが、1年間の強制にしなくても一部の実行部以外は、もっとゆるゆるな組織でも、このようなメリットは得ることができるのではないかと思います。
こちらのブログに行き当たったPTAに関係する方にこの記事が、何かしらのヒントをお持ち帰りいただけたら幸いです。
これから私は、広報部の仕事を本部に戻したり、簡略化、効率化できるような活動には自主的に、参加をしていこうとしています。恐怖で、強制労働、強制動員でない、在りたい姿を・・・。

きくっちさん、素敵なお写真の提供を今回もありがとうございました。またこの経験をkindleの本にできたらいいな、そして社会に影響の輪を広げられたらいいなと考えています。みんなが生きやすく、働きやすく、子育てしやすい世の中になりますように・・・。

写真提供:同じく2児の父、菊池敦 氏

https://www.instagram.com/a_kikutti/