BR40 丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに- ~若年性アルツハイマーになったら。当事者の病気との付き合い方から学ぶ~

こんにちは。女性の在りたい姿を応援する、エバーガールの有紀子です。

先日図書館の新刊コーナーでふとこちらの方の笑顔に手が伸びました。

 

丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-

という本です。

著者は39歳の時に若年性アルツハイマーと診断されました。

それまでトヨタ系列の仙台の販売会社で外車販売におけるトップセールスマンだったそうです。

徐々にお客様の名前や同僚の名前などが思い出せなるという自覚症状が起き、メモなどを多用することで乗り越えていながらも限界を感じ、受診して分かったそうです。

 

30代での若年性アルツハイマーは本当に珍しい層で、行政の保護システムもなく、理解を得ることも難しい。

しかも発症した方は8割が離職されているとのことです。

 

家族もあり、まだまだ働き続けなければならない著者も、認知症=物忘れ~徘徊~寝たきり になるのではないかとお先真っ暗に感じたそうです。

幸い、社長が「病気でも働き続けなさい。所属も変更するから」と言ってくださり、退職せずに済んだそうです。

 

そんな中、認知症当事者の会で体験談を話し合ったりすることで、少しずつ、「他の病気と同じように、明るく生活していることで進行は遅らせることができる。もっとそのことを知ってほしい。」と講演活動やテレビ出演をし、そして今回の出版となったそうです。

 

認知症だからできないことはある

不得意なこともある

 

そういったことは、何が不得意で何に困っているのか、カミングアウトして周囲の理解を得ればいい。

 

腫れ物に触るように本人も言わない、周りも本人に何もかもやらせない、否定的な発言をする、などのこと自体が病気に対する偏見であり、進行を速めるのではないかということです。

 

忘れてしまうならメモを活用すればいい

行き先が分からなくなり困るなら、認知症であることと会社と自宅駅の路線を書いたネームプレートを掲げ、迷ったときに周りの人に聞けばいい

歯磨きは何度したってそんなに悪いことじゃないじゃない

徘徊も、ただ理由がなく徘徊をしているのではなくて、当事者は、「大事な奥さんを探して徘徊している」、「買い物に行きたくて道に迷った」などの理由があるんだそうです。

 

アルツハイマーは病気ですが、誰でも得意不得意はあるもの。

そういったことを自己開示して、自己認識して周りにも支えてもらいながら生きていくことの大切さを教えてもらいました。

著者が笑顔で生きる理由は、笑顔であることによって過去の記憶はすべて失っても楽しいことばかりの引き寄せが来るから、ということです。

 

元々笑顔なわけじゃない。笑顔を心がけているんだ。そうするといいうことがある。

 

とても説得力がありました。

 

同時に石原先生の新刊も借りました。「超一流は無駄に食べない──「少食」×「空腹」で活力がよみがえる!」

 

 

こちらも少し極論はありますがとても良い本でした。

心を動かされる本に出合えてよかったです。

若年性アルツハイマーになった当事者の丹野さんと、私の日々の困難は比べてもとても些細なものです。

困難への乗り越え方としても学びになりました。